外出が億劫

日記とか忘備録とか。

人狼カード比較感想文

人狼を買うのが好きだ。プレイするのも勿論好きだけど、カードを集めるのも好き。
セットによって微妙に役職名に差があったり、同一の役職でも細かな仕様の違いがあったりして比較するのが面白い。根本的には同じシステムなのにゲームバランスが違うのもよい。
ので、主に手持ち・もしくはプレイ経験が多めなものの間で比較してみた。

究極の人狼

役職数の多さが特徴のカードセット。
メジャーなマイナー役職「皮なめし」「タフガイ」「吸血鬼」「キューピッド」あたりは入っているので変な役職で遊びたいならこれがあれば大体事足りる。
ただし狐に相当する役職がない、キューピッドが第三陣営ではなく村人陣営として扱われる、共有(に相当するフリーメーソン)について話してはいけないなどWeb等で慣れたプレイヤーからすると若干癖があるように感じられる。事前に詳細なルール確認は必須。狐はまあプロクシカードで対応可能ではある。
他にも占い師→預言者、共有者→フリーメーソンで、ハンターとボディガードが両立されているため名称関連は混乱しがち。
総じて初心者もしくは上級者向けな印象……というか中級者殺し。最初からこのカードセットでプレイするなら特に問題ないが、Web版や他のセットでプレイしていると逆に混乱する。
イラストは海外産だなあという感じ。

ミラーズホロウの人狼

正方形のカードが可愛い海外産古典カードセット。日本語版は無い。実は未所持なんだけど、何度か遊ばせてもらったので一応。
あまり役職の種類は多くない。「少女」「盗人」あたりがレアだが、他は相当にベーシック。こちらも狐なし。後述の理由により霊能も不在。
特徴は役職セットよりシステムそのもので、吊られた相手の役職は公開される仕様がある。
その上擬似的占い役職「少女」までいるケースがあるので、ゲームバランスは壊れ気味。狼さんがしんどい。配役での調整が必要。
個人的には観賞用、もしくはルール調整しないと遊べないと感じるカードセット。

うそつき人狼

国産カードセット。イラストが可愛い。村人のイラストが複数種類あるのが地味にポイント高い。
ベーシックな役職セットに多少独自色を出した、という程度の役職数。「タフガイ」「見習い預言者」「呪われた者」等のメジャーどころから「預言者のママ」「罠師」「ものまね師」などのオリジナル役職も入っている。勿論狐も霊媒いる。安心。
一番の特徴は初心者へのフォローの手厚さで、プレイヤー全員に配れる役職一覧表、進行者用の確認サマリーなどがセットに含まれる。身内で誰もプレイ経験がないけど人狼をやってみたいような状況なら最適。役職名も比較的ベーシックで、「狩人」と「ボディガード」を両立させているのが慣れたプレイヤーからすると面倒臭い程度。
難点は特殊役職を加えたゲームバランスは大味で粗が目立つところ。「ものまね師」はCO禁止とは言うがプレイヤーの裁量に任される部分が大きすぎ実質的なものまねCOが可能だし、「独裁者」は村側の凶悪すぎるカードになる。対して狼側にあるのは「呪われた者」と「狼少年」くらいなので、ベーシックルールに慣れて特殊役職を入れ始めると狼が辛すぎる。
良くも悪くも初心者向けなカードセット。プロモカード「勇者」は入れてはいけない。絶対にだ。

月夜の人狼

役職が多くて箱がでかい国産カードセット。
数だけではなく、「ヤンデレ」「ツチノコ」「化け狸」「名探偵」など他には見ないオリジナル役職が大半。その上「闇夜の人狼」という拡張で同一のカードを使用しつつ役職の内容を切り替えるルールがあるため、役職の種類ならぶっちぎりで多い。
基本役職も一通り無難に網羅されている。基本役職についても実プレイ中に呼ぶ名前との乖離が少なく、「占い師」「霊能者」「共有者」になっている。狩人が「護衛」なのは……Webではともかくカードだとハンターだの狩人だのボディガードだのバリエーションが豊か過ぎるので仕方ないんだろう。多分。
役職数の割にはバランスブレイク役職も多くはなく、バランス調整しやすいのもいいところ。
ただ、全体的にルールは難解な部類。オリジナル役職多数なので慣れるまでは混乱しがちな上、どの役職を入れるかの選択が難しい。オリジナル役職を楽しむためのカードセットなので仕方ないとはいえ初心者向きではない。
比較的流通しているがいちおう同人作品なので、入手性にはやや難がある。通販対応してないんだよなー。
上級者向きとしては入手できれば最高。ただ、箱はでかい。いや本当にでかい。ルール冊子のサイズ的に仕方ないのはわかるが本当にもうちょっとなんとかならなかったんスか。

トガの狼

既に入手困難な同人カードセット。公式の更新が無いのでもう再版は無いかもしれない。一時期はイエサブとかでよく見た。絵が最高に雰囲気あって良い。
役職名はやや特徴的で、共有相当の「相棒」、猫又相当の「猫」、自撃ち固定キューピッド「蛇」など。オリジナル役職は変則的狩人「犬」、村側有利に動く第三陣営「笛吹き」、コピー能力持ちの「鸚鵡」あたり。
役職数はあまり多くないが、オリジナル役職は他で見ないものばかりなのでプレイ感は独特。ただ、ゲームバランスはいまいち。「犬」「笛吹き」でかなり側に偏っているので特殊役職の扱いには注意が必要。
それからよくあるな配役点数(人狼-6、占い師+8、狂人-3...というようなアレ)が設定されていないのでなれていないとバランスもとりにくいかもしれない。
しかしトガの最大の魅力は世界観とイラストとパッケージに全てが凝縮されているのでそのあたり割とどうでもいい。見た目に努力値を全振りしている最高のコレクション品。
パッケージがコンパクトなので、基本役職だけで遊ぶならゲーム会に持っていくのもまあアリ……のはずが、汚れるのが嫌で持ち込めないくらいにはコレクション品。

おすすめ

役職数の多さ=やりこみ要素とルールの難解さは表裏一体なので、初心者向けと上級者向けでおすすめカードセットは大分かわってくる。
うそつき人狼から入って月夜の人狼へ、というのが理想。究極の人狼は有名だけど名称やルールで混乱しがちなのであまりおすすめできない。 二つも買いたくないなら月夜から入っても良いけど、その場合最初から使うのは占・霊・共・狼・狂・狐くらいにしないと収集がつかなくなる。
月夜が入手できないなら諦めて究極の人狼でもいいのではないかなあ、という感じ。

最後に

好きな役職は名探偵(「謎は全て解けた!」の決め台詞と共に相談時間外にあたる名探偵フェイズを発生させる。名探偵フェイズで全ての役職をあてることができたら単独勝利、はずしたら恥ずか死する第三陣営)です。あれ見るの最高に楽しいよね。